第66回 高知市夏季大学



ことしは東日本大震災から5年、昭和南海地震から70年の節目に当たり、東日本大震災当時甚大な被害を受けながらも
地元新聞の発行を陣頭指揮した河北新報社の武田真一さん、紛争地や東北の被災地で取材活動を続けている安田菜津紀さん、
歴史地震(1884年以前の地震)の研究家で、映画『殿、利息でござる!』の原作者の磯田道史さんをお招きします。
そのほか、一昨年のNHK連続テレビ小説『花子とアン』が大きな話題となった脚本家の中園ミホさん、
ラグビー男子日本代表のメンタルコーチをつとめ、五郎丸歩選手の「ルーティン」の生みの親としても知られる荒木香織さんら
多彩な顔ぶれとなっています。 夏の宵は「夏季大学」に参加して、10日間の充実した夜を過ごしてみませんか。

第1回~50回までの講師一覧
(51回~65回は夏季大学期間中会場内で販売するテキストをご参照ください)


7月25日(月)
3.11を忘れない ―被災地・被災者とは何か

河北新報社 防災・教育室長 武田真一(たけだ しんいち)

1959年宮城県栗原市生まれ。
東北大学文学部卒業。1981年河北新報社(仙台市)入社。2011年3月の東日本大震災当時、報道部長を務め、現場取材を指揮した。2016年4月から新設の防災・教育室を担当し、震災教訓の伝承と防災啓発、発信の強化に取り組む。
●東日本大震災から5年が経過し、風化が取り沙汰されている。震災が遠く離れた地域で起きたかわいそうな出来事と捉えられている限り、風化は避けられない。2万人の犠牲を無にしないために、わたしたちは何をすべきか。「忘れない」は誰のため、何のためか、被災地・被災者とはどういう存在なのか。
熊本地震の被災も含めた災害の視点について、震災報道の現場で得た思いを、高知の市民と共有したい。

 


7月26日(火)
働くことは生きること ―逆境が私を育ててくれた―

脚本家 中園ミホ(なかぞの みほ)

東京生まれ。
日本大学芸術学部卒業後、広告代理店勤務、コピーライター、占い師の職業を経て、1988年に脚本家としてデビュー。その後も『やまとなでしこ』『Doctor-X 外科医・大門未知子』などテレビドラマを中心に数多くの作品を執筆。
2014年にはNHK連続テレビ小説『花子とアン』を手がけ、高視聴率を記録するなど話題になる。徹底した取材を通じてのリアルな人物描写には定評があり、特に女性の本音に迫るセリフは多くの視聴者から共感を得ている。
●働く女性が活躍するテレビドラマを書き続けてきた脚本家として、ヒロインが生み出された取材エピソードなどを交えながら、脚本家としてのこれまでの仕事や自分自身の体験についてお話しいたします。

 


7月27日(水)
少しの努力で“できる子”を育てる!池田清彦の子育て術

生物学者・早稲田大学国際教養学部教授・山梨大学名誉教授 池田清彦(いけだ きよひこ)

1947年東京生まれ。
東京教育大学理学部生物学科卒業。東京都立大学大学院理学研究科博士課程生物学専攻単位取得満期退学。理学博士。山梨大学教育人間科学部教授を経て現職。
フジテレビの「ホンマでっか!?TV」にも出演するなど、新聞・雑誌、テレビなどで活躍している。専門の生物学分野のみならず、科学哲学・環境問題・生き方論など、幅広い分野の著書も多数。
●一番適切な時期に必要な教育を施す。その見極め方さえ押さえれば、子育ては“楽ちん”で“楽しい”ものになります。生育期別の「やるべきこと」「やってはいけないこと」をご紹介しながら、最小の労力で最大の効果を上げる、究極の子育て術をお話しします。

 


7月28日(木)
写真で伝える世界、東北の“今”

フォトジャーナリスト 安田菜津紀(やすだ なつき)

1987年神奈川県生まれ。
上智大学卒業。16歳のとき、「国境なき子どもたち」友情のレポーターとしてカンボジアで貧困にさらされる子どもたちを取材。現在、カンボジアを中心に、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で貧困や災害の取材を進める。東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けている。
2012年、「HIVと共に生まれる-ウガンダのエイズ孤児たち-」で第8回名取洋之助写真賞受賞。
近著に『それでも、海へ 陸前高田に生きる』(ポプラ社)『君とまた、あの場所へ シリア難民の明日』(新潮社)。スタディオアフタモード所属。
●3.11後、東北の人々の生活に関わらせていただきながら取材した写真とともに、現地の皆さんの思いをお伝えできればと思います。同時に、シリア難民など世界の現場からのエピソードも交えてお話しさせていただきたいと思います。


7月29日(金)
自分らしく生きよう

パナソニック株式会社役員・ジャズピアニスト 小川理子(おがわ みちこ)

大阪市生まれ。
慶應義塾大学理工学部卒業後、松下電器産業(現パナソニック)株式会社に入社。主に音響機器の企画・研究開発・商品化などに携わる。市場の規模縮小により愛好家らに惜しまれながら生産を終了していた同社の高級オーディオブランド「Technics(テクニクス)」の復活にも尽力し、2015年4月、同社で史上2人目の女性役員に就任した。
幼少からピアノを学び、プロのジャズピアニストとしての顔も持つ。これまでに自主制作を含め14枚のCDをリリースしている。

 


8月1日(月)
人生捨てたもんじゃないですね

俳優 笹野高史(ささの たかし)

1948年兵庫県淡路島生まれ。
日本大学芸術学部映画学科在学中、劇団「自由劇場」に裏方として入団し活動する。一年半船乗りを経験し、再び自由劇場に戻り『上海バンスキング』のトランペット吹き・バクマツ役で注目を集める。自由劇場を退団後独立し、数々の映画・テレビドラマ等で個性派俳優として活躍。
映画『武士の一分』で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞。2015年には映画『陽光桜 YOKO THE CHERRY BROSSOM』で67歳にして単独初主演を務めた。

 

 


8月2日(火)
江戸時代から発想する―経済・教育・防災―

歴史家・国際日本文化研究センター(総合研究大学院大学)准教授 磯田道史(いそだ みちふみ)

1970年岡山市生まれ。
慶應義塾大学大学院博士課程修了(史学)。茨城大学助教授、静岡文化芸術大学教授などを経て現職。古文書の研究から見えた当時の人々の暮らしや出来事を綴った著書を多数執筆。今年5月には『無私の日本人』(文春文庫)の一編「穀田屋十三郎」が『殿、利息でござる!』として映画化され話題を呼んだ。
また古文書の自然災害の記録を考察し、歴史家の視点から防災について発信する活動も行っている。
●江戸時代から経済・教育・防災など現代日本が取り組むべき課題について発想する。日本の人口・GDP・識字率、そして地震津波防災は、長期的視座で見れば、どのようなことが言えるのか。過去に高知を襲った宝永津波の話も交えながらお話しする。

 


8月3日(水)
高知の10代を元気に 高知の地域ビジネスの可能性

株式会社ディー・エル・イー代表取締役 椎木隆太(しいき りゅうた)

椎木隆太/1966年生まれ。
慶應義塾大学経済学部卒業。1991年ソニー株式会社入社。海外駐在等を経て2001年退職し、有限会社パサニア(現株式会社DLE)を創業。2016年4月、東証一部上場。
「秘密結社 鷹の爪」「パンパカパンツ」「貝社員」などをヒットさせ、現在プロデューサーとしての活躍の場は国内外に広がっている。娘・里佳氏の10代での起業について「勘違いのパワーで主体性を育む」という独特な子育て論にも注目が集まっている。



株式会社AMF代表取締役 椎木里佳(しいき りか)


椎木里佳/1997年生まれ。
慶應義塾大学文学部在学中。中学3年の時に株式会社AMFを創業しマーケティングサポートや、女子中高生の「かわいい文化」を世界に発信する「JCJK調査隊」などの事業活動を展開。若者らしい大胆な発想力や情報発信力が評価されている。幼い頃から実業家である父・隆太氏との対話を通して自分の夢を常に思い描くことが習慣に。それが起業のきっかけのひとつとなった。
ForbesASIA主催の「30 UNDER 30」にて、メディア,マーケティング&広告部門「30歳以下の世界が注目すべき30人」にも選出された。

 


8月4日(木)
震災後の社会変動と社会運動

慶應義塾大学総合政策学部教授 小熊英二(おぐま えいじ)

1962年東京生まれ。
東京大学農学部卒業後、出版社勤務を経て、東京大学大学院総合文化研究科国際社会学専攻博士課程修了。2007年より現職。専門は歴史社会学で、ナショナリズム、民主主義を中心に政治思想とその歴史を論じる。 著書に『生きて帰ってきた男』(岩波新書)、『1968』上下(新曜社、角川財団学術賞)、『〈民主〉と〈愛国〉-戦後日本のナショナリズムと公共性』(新曜社、毎日出版文化賞、大佛次郎論壇賞)など多数。
●震災と原発事故から、昨年夏の安保法制まで、日本各地で大規模な抗議運動がおきている。これは、どのような社会的背景からおきているのか。過去の社会運動と、どう違うのか。世界的にみて、どのように考えられるのか。格差拡大や雇用の劣化、過疎化や高齢化と、どのような関係にあるのか。こうした点を、映像を交えて考える。

 


8月5日(金)
心を鍛える

園田学園女子大学人間健康学部教授 荒木香織(あらき かおり)

京都市生まれ。
専門はスポーツや健康に関する心理学。教育・研究活動のほか、アスリート、コーチ、ビジネスパーソン、アーティストにパフォーマンス向上のためのプログラムを提供するメンタルトレーニングコンサルタントとして活動している。2012年から2015年まで男子ラグビー日本代表のメンタルコーチを務めた。
●2015年イングランドで開催されたラグビーW杯において、24年前に1勝しかしたことのなかった日本代表チームは優勝2回を誇る南アフリカに勝利するなど、3勝を収めました。4シーズンにわたる準備期間においては身体・体力・技術の強化だけでなく、心理面を強化することも怠りませんでした。
見えない心をどのように強化していくのかについて話題提供するとともに、アスリートでない皆さまにも日常生活で活用していただけるような心理的スキルについて紹介します。

 



期間 2016年7月25日(月)~8月5日(金)〔土・日曜日は休講の10日間〕
時間 18:30~20:00(開場18:00)
会場 高知市文化プラザかるぽーと大ホール
受講料 通し券(受講料は10日間通しの料金です。)
一般3,600円 割引2,600円
※学生、長寿手帳・身体障害者手帳・療育手帳などをお持ちの方は割引受講票をお求めいただけます。
※割引受講票は数に限りがあります。売り切れ次第、販売終了します。
※割引受講票は、高知市文化プラザかるぽーと8階事務所(月曜日を除く8:30~20:00、7/18は販売) と旭文化センター(木村会館、日・月曜日、祝日を除く9:00~17:00)でのみ受け付けます。
※一般受講票は無記名でどなたでも有効。割引受講票は記名本人に限り有効です。
※大ホールが満員の際はモニター視聴をお願いすることがあります。

当日券900円
※当日券は各講演日当日、席に余裕がある場合に限り会場で販売します。
※通し券をお持ちの方が優先入場となり、大ホールが満員の際はモニター視聴をお願いすることがあります。
販売 7月1日(金)から
受講票販売所 高知市文化プラザかるぽーと8階事務所および3階ミュージアムショップ、高新プレイガイド、高知県立県民文化ホール、高知県立美術館ミュージアムショップ、高知大丸プレイガイド、サニーマート(御座・高須・神田・瀬戸・土佐道路東・六泉寺・あぞの・中万々・毎日屋あたご・サニーアクシス南国・サニーアクシスいの・高岡・伊野店)、金高堂、島内書店、日新館書店、ローソンチケット【Lコード:62561】
テキスト 400円(夏季大学期間中会場内で販売)
その他 ※講演には手話通訳がつきます。
※特別企画 高校生・大学生限定 トライアル聴講・特別受講券について
※大ホールが満員の際は、通し券をお持ちの方でもモニター視聴をお願いすることがあります。
※受講票を紛失されても再発行はいたしません。また、受講票をお持ちでない方、お忘れの方は入場できませんので、十分ご注意ください。
※18:00以前の開場はできませんので、開場時間に合わせてご来場いただきますようお願いします。
※講師の都合、天候の関係でやむを得ず日程を変更、もしくは中止することがあります。
※お車でご来場の際は、高知市文化プラザかるぽーと地下駐車場(有料)、または周辺駐車場をご利用ください。
※託児(無料)については生後6カ月のお子さまより受け付けますので、ご希望の方は事前に高知市文化振興事業団(088-883-5071 月曜日は休館日です)までご連絡ください。
主催 高知市教育委員会・高知市文化振興事業団
高知新聞社・RKC高知放送
お問い合わせ 高知市文化振興事業団 088-883-5071
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