第67回 高知市夏季大学
開催日時 | 2017年7月18日(火)~7月29日(土) 火~金曜日/18:30開演 土曜日/15:00開演 ※日・月を除く10日間 |
会場 | 高知市文化プラザかるぽーと 大ホール |
入場者数 | 7,990名(10日間延べ人数) |
第67回となる「高知市夏季大学」が開催され、今年もたくさんの方が受講に訪れ、知的好奇心に満ちた10日間をともに過ごしました。
高知市夏季大学は昭和26年の高知市立中央公民館の設立の年に始まり、今年で67回を迎えました。開講以来、市民の生涯学習の場として、「よさこい祭り」と並ぶ高知市の夏の風物詩となっています。
講師は様々なジャンルから10名を招聘。市民の皆さんが日頃どのような話題や人物に関心を持っているのか情報収集し、昨年度実施時のアンケートや現在の社会情勢、開催時期の話題性なども考慮し講師を選定しています。また知名度の有無だけではなく講演内容の密度が濃い夏季大学ならではの講師を選定することも重視しています。そういったことを踏まえ、今年は「大政奉還・明治維新から150年」や「地球環境」といったテーマのもと、大友啓史、萱野稔人、白井勝晃、阿川佐和子、国谷裕子、池透暢、北原照久、門田隆将、小宮山宏、谷口真由美の各氏をお招きしました。
初日を飾ったのは、大反響を呼んだNHK大河ドラマ『龍馬伝』のチーフ演出を務めた映画監督の大友啓史さん。ドラマの企画から撮影終了までの龍馬と走り続けた3年間と、監督が思う龍馬と高知の魅力について熱く語りました哲学者の萱野稔人さんは哲学的視点から、近年の社会情勢、特にアメリカと中国の関係性を例に挙げ、この2大国の動向が今後日本にどのような影響をもたらし、我々はそれをどう乗り切っていくのか、身近な問題として捉えておく必要性を提起。また昨年3月までNHK「クローズアップ現代」の顔であったキャスターの国谷裕子さんは、現在その広報・啓発に力を注いでいる「SDGs」(国連が2015年に採択した地球と人類のための持続可能な開発目標)について紹介。長年キャスターとして様々な社会問題と対峙してきた国谷さんならではの見解と分かりやすい語り口で伝えてくれました
高知市出身で、現在も地元を拠点に活動する、ウィルチェアー(車いす)ラグビー日本代表で銅メダリストの池透暢さんは、自身の経験から得た、困難からあえて逃げずに立ち向かう心の持ち方について語り、競技をより多くの人に知ってもらいたいと、会場に競技用車いすを持参。希望者が舞台上で車いすに乗り、そこへ池さんがタックルをするという体験パフォーマンスも行いました。あまりのタックルの勢いに体験した女子高生が車いすから吹っ飛んでしまうというハプニングもありましたが、会場は大盛り上がりでした。講演後はロビーで受講生らと交流。受講生らは銅メダルを触らせてもらい池さんと会話を交わすなど、とてもよい交流の時間となりました。
その他にも子育て論や憲法や政治、人生を楽しく前向きにいきていくための考え方など、どの講演も大変興味深く心に響く講演でした。
また、今年は近年の猛暑による受講生の負担軽減のため開催時期の一週間繰り上げや、働く世代から希望の声が多かった同曜日の昼の開講など、新たな取り組みも行いました。全体の受講生数は昨年を上回った一方、一昨年から始めた高校生・大学生対象の特別受講票によるトライアル受講者数は昨年を下回るなど、学生層をはじめ、まだまだ若い世代への受講拡大を呼びかけていく必要性を感じました。
今回の開催の成果や課題をもとに、来年度以降もより充実し、多くの方にご参加いただける夏季大学となるよう検討していきたいと思います。
<第67回夏季大学講師>
大友啓史さん、萱野稔人さん、白井勝晃さん、阿川佐和子さん、国谷裕子さん、池透暢さん、北原照久さん、門田隆将さん、小宮山宏さん、谷口真由美さん(講演日順)
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