第69回 高知市夏季大学
開催日時 | 2019年7月16日(火)~7月27日(土) 火~金曜日 18:30~20:00 土曜日 15:00~16:30 ※日・月を除く10日間 |
会場 | 高知市文化プラザかるぽーと 大ホール |
入場者数 | 10,613名(10日間延べ人数) |
夏季大学は中央公民館事業として一九五一年にスタートしました。「市民の知的開発、文化教養の向上、情操の涵養を図る」という開講当初に掲げられた目的のもと、毎年、経済・科学・政治・芸能・社会・歴史・スポーツなど、各界で活躍する著名人・有識者の皆様にご登壇いただいております。
本年は、わずか二日余りで受講票が完売し、延べ一万六百十三人というたくさんの方々が受講されました。一万人を超えたのは八年ぶりで、一日当たりの受講者数としては、会場をかるぽーとに移した平成十八年以降、二番目の多さを記録しました。
初日十六日㈫の講師、NHK報道局記者主幹の大越健介さんには、世界中を取材しているご自身の経験を基に、「壁」が多く築かれつつある今日の社会を生きていくうえで大切なものは何か、ご講演いただきました。ユーモアたっぷりの親しみやすいお話は、初日にふさわしい大変示唆に富んだ内容でした。
十七日㈬の講師、落語家で医学博士の立川らく朝さんには、「ヘルシートーク」と「健康落語」の二本立てにてご講演いただきました。真打の噺に会場はたくさんの笑いに包まれ、笑いの効用について、受講生の皆さんに実際に体験していただけたのではないかと思います。
十八日㈭は、慶應義塾大学大学院教授の岸博幸さんに、高知のような地方都市の、今後の経済活動に必要な要素について、様々な事例を交えてご講演いただきました。他人との関係性に関わるお話では、ビジネスだけでなく実生活を豊かに過ごすヒントがあり、受講生の真剣な眼差しがとても印象的でした。
十九日㈮の講師は、気象予報士の天達武史さんで、近年の異常気象について、あるいはこのまま地球温暖化が進行した未来について警鐘を鳴らし、大変わかりやすくご講演いただきました。私たちの生活と切り離すことはできない気象について、多くの受講生が関心を深められたことと思います。
二十日㈯は、元プロテニスプレーヤーの沢松奈生子さんに、現在のテニス界と今後の展望について、またご自身の活動を通して得られたことなどご講演いただきました。大変切れの良いトークに会場は沸き、世界のトップレベルで活躍された沢松さんならではのお話は非常に意義深いものでした。
二十三日㈫は、株式会社DDホールディングス代表取締役社長の松村厚久さんにご講演いただきました。体調が芳しくない中、社員の方のサポートを受けながらのご登壇でしたが、病魔と闘い続ける姿勢は受講生の皆さんに響いたようで、またサプライズ演出もあり、イレギュラーな中でも満足度の高い講演だったのではないかと思います。
二十四日㈬は、フリーアナウンサーでことばのアカデミー校長の河野景子さんにご登壇いただきました。他人とのコミュニケーションについて、ご自身の経験と理論に基づいた、河野さんならではのお話をいただきました。質疑応答では講演内容から外れた質問が飛び交いましたが、真摯で寛容な対応に河野さんのしなやかさがうかがわれました。
二十五日㈭の講師は、サイエンス作家の竹内薫さんでした。近い将来やってくる人工知能が台頭する社会のため重要となってくる知識や、現在の最先端技術について、専門的な事柄も大変平易に伝えていただきました。とても面白い講義だったという声も聞かれ、未来を想像する豊かな学びの空間が広がっていたのではないでしょうか。
二十六日㈮は、作家の林真理子さんにご講演いただきました。県外から駆け付けた方もいらっしゃるほどの人気ぶりで、開演後も来場者が途絶えず、急遽小ホールを開放して対応しました。大河ドラマや元号改正といったトピックスのほか、高知愛に溢れた講演に、客席は終始笑顔の絶えない様子でした。
最終日の二十七日㈯は、俳人の夏井いつきさんにご講演いただきました。開場前から多くの方が詰めかけ、この日も小ホールを開けての対応となりました。俳句の魅力や、俳句を通した様々なエピソードは強く心に残るものばかりで、夏井先生の情緒溢れる語り口も相まって、とても心地よい空気感が会場を包んでいたように思います。
来年、夏季大学は七十回の節目を迎えます。会場のアンケートで寄せられた様々なご意見も参考にしながら、講師陣や会場運営など、より充実し、多くの方に参加いただける夏季大学となるよう取り組んでいきたいと思います。
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